〜サラリーマンから農業へ〜

 私が農業を始めて早いもので、もう19年目になりました。(現在51歳)
以前は、某所で公務員をしておりました。
 毎日毎日が楽しくも結構忙しく、たまに遠足に行くと、道中の田んぼで働く
農家の人の、なんとのどかでおおらかに見えた事か。
 また大地や川は、仕事で疲れた私を幾度となく癒してくれたものです。
忙しい都会から眺める自然や農業は、それはそれは魅力的に見えたもの
です。
 そう、分刻みの毎日と組織の中で生きる都会人にとって、自然や農業は
『自由』を連想させます。             
 私は農家の子でしたが、小さい頃から体験してきたオヤジの手伝いは、
それはそれは嫌で、苦痛以外の何ものでもありませんでした。友達と遊び
たかった しね。(笑)

 そんな私が周囲の反対を押しきって農業を始めたのだから、人生って不
思議です。  

・・・で、19年たった今の私の感想は??農業・・・それは自然と人間との
知恵比べに明けれる。(笑)
 はたで見るのどかさはどこへやら。春になると雑草との戦い。葡萄の花と
の戦い。風から作物を守る戦い。病気との戦い。
 戦い・・。と言っても、「自然」は人間のことなど眼中になく、淡々と自然を
全うしているだけであり、人間が勝手に自然に翻弄されてる。そんな気がし
ます。
 そんなわけで、葡萄やミカンがいい花を咲かせ、人間が計画通りに作業
を進めることが出来、いい作物が取れる見こみがあるとしましょう。収穫も
間近となり、「良し!」っと。
 そんな時、台風が襲ってきて、根こそぎその年の収穫をもっていかれてし
まう。
 自然を前にして嘆いてみても始まりません。我々は一日だけ泣くことにし
、来年へと望みをつなげ、翌日から淡々といつもの仕事をこなす。何事も
無かったかのように・・
きっとそれが農業というお仕事なのでしょう。
 自然は時に牙をむき、時に私達を癒してくれます。しかし人間がそう感じ
ているだけで自然は常にあるがまま。人間だけが不自然なような気がしま
す。
 人間もまた自然の申し子であるならば、出来るだけ自然に振舞いたいな
あ・・・ウーン難しい