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上の写真は以前、重機で開墾し土を削った時に露出した岩です。この岩の事を『母岩』といいます。実は、この岩が土の母なのです。
母岩の表面は、長い年月の間に風化して崩壊します。それに、特殊な植物や微生物が住みつき、二酸化炭素を出し岩や砂をさらに細かくします。
次第にその砂に適応した植物が成長し、死ぬとその遺体を微生物が分解して、腐食物質ができます。
やがて、砂の粒子や無機物、有機物などが増えてきて植物が生育できる種類や量が増加します。
そして、それらの植物が死ぬと、また微生物が分解し・・・・そんな繰り返しが気の遠くなるほど続き、土壌は発達するのです。 |
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今度の写真は先程の、説明を表しています。礫層(れきそう)は、『母岩』が崩壊しかけている層のことです。一番上の『有機物』の層は、落ち葉などで、今この時も、微生物がが分解し続けています。しかし有機物が一年間に『土』になる量はなんと1mm程度だそうです。ね、気が長い話しでしょう? |
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ほら、ただの岩だったところにも後ろの方では早くも植物が生えていますね。ただの岩に草が生えるまでに2年かかっています。
写真の岩が、わが農場の母岩、『結晶片岩』といいます。この岩は西彼杵半島には普通に見られる岩です。この岩の中のキラキラ光る「雲母」が、葡萄を美味しくしてくれるという話を、聞いた事があります。 |
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ドロが、どんな風にして出来て行くかはなんとなく分かっていただけたでしょうか??実はこの『母岩』が、葡萄やミカンの味に深く関わっていると考えています。
なぜそう考えるようになったかというと、わが農場は別の土地にも、狭いながらも葡萄園を持っています。それが、同じ栄養剤、同じ肥料を使っていても、全く味が違うのです。また土質も違います。(どっちもオイシイんですがネ)
何故土質が違うのか・・・・母岩が違うからに他なりません。また、堆積する植物も微妙に違っているようです。
私は、夢農場の土に満足しています。『この葡萄の味で良い』と思っています。
ですから土の力を維持するために、堆肥は使用していません。この土地出身以外の植物や糞尿を入れたくないのです。
それでは、土の力をキープするために投入しているのは何か? |
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正解は、この土地で採れる、落ち葉や腐葉土です。私どもの果樹園は元はただの山だったところ。当初は有機物にあふれていたはず。しかし、長年の果樹栽培によって、有機物は不足し始めます。有機物が不足し始めると土の団粒構造が不足し始め、植物の根が良く張らなくなります。
そこでこの土地で採れる物を投入するのです。そうすることによって、作物の味を変えることなく地力をキープできると考えてます。 |
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ウチの偽シェパードのミミがベッド代りにしているのは落ち葉のベッド(笑)葡萄の収穫後、10月後半になると、毎日毎日、90Lの袋に10杯ずつ集めます。
一本の樹に3杯くらいまくんですよ。かなりの重労働ですから、毎日毎日少しづつネ。 |
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いかがです?まるで葡萄畑というよりは雑木林の中みたいでしょ??この落ち葉作戦は、毎年行います。しかしあまりにまきすぎると、今度は分解が追いつかず、どんどん有機物が堆積し、地中は酸欠状態に・・・と考えています。
また、冬の前にはカキガラ石灰を散布と、秋から冬にかけての作業も色々とあるんですね〜コレ。さ、ビールでも飲みますか。 |
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腐葉土をまく前に、ライ麦の種を植えてみましたら腐葉土をかき分けて、芽が出てきました。ライ麦は、深く根を張り、クワを入れずに土を耕すといわれています。また、麦類の根から出る特別な「酸」によって、「鉄」を溶かして吸い、リン酸の効きをよくします。らしいです。日本の土壌は酸性が多く、リン酸の効きが悪いため、それが課題となっています。
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