GRAND CANYON...


 グランド・キャニオンに入るために、今日はフラッグ・スタッフという街で一泊する。ケント・デリカット氏で有名なソルトレイクシテイを抜ける頃から、インデイアンが多くなるのに気づく。この街で迎えた初めての朝、情報収集に外へ出ると、写真の彼に会った。
彼は、インデイアンだった。朝から酒臭かった。
 
「写真ができたら、俺の家まで送ってくれないか?」と言う。
 「住所は?」とたずねると、彼は振り返り指差した。

            「あの山の向こうだ。」

               「・・・・・・・・」
 
翌日、レンタカーを借りた。名前は違ったが、明らかに日産サニー
だった。マニュアル車を借りたことに店員は驚いていた。アメリカは
とにかく広いのでオートマ車が当たり前のようであった。
 グランドキャニオンまでは単調な道がひたすら続く・・・。走れど走
れど赤茶けた砂漠と、低木。それこそ地平線以外は何も見えない。
 
〜グランド・キャニオンまであと〇マイル〜そんな表示が見えてくるが
なかなか、姿を見せないのである。

・・とそれは突然訪れる。本当に突然訪れる。これまで何もなかった大
地が突然裂けたみたいに・・・

そこに言葉は失われる・・・。ほんとに失われる。表現する言葉が見
つからない・・・。かろうじて心の中でつぶやく言葉は??
(あいた〜〜)とか、(こりゃ〜)とか(うわ〜)くらいであろうか?(笑)

限りなく広く・・・限りなく深く・・・限りなく遠く

たった1本のコロラド川が気の遠くなるような時間をかけて作り上げた
この谷。「神」とは大自然のことであろうとそう思わずにはいられない。